こんばんは、源(@kinogen0018)です。
在宅勤務2年生になり、自宅に昇降デスクを導入したら勢い余って新卒サラリーマンの月給の三分の一は下らないぐらいのお高いオフィスチェアを買ってしまった男の話である。
勢い余って(そもそも勢いがないとこんなに高価な買い物はできない)買ってしまったが後悔はしていない。
なぜイスを買うのか?
俺は都内の狭小物件に住むサラリーマンである。先の見えないテレワーク生活を耐え抜くために、間に合せの作業環境からそろそろ脱出したくなってきた。
先日、うさぎ小屋などと揶揄されそうな6畳にも満たないワンルームの一角に激安電動昇降デスクを導入し、コンパクトながらも作業スペースを整備したのだが、それだけでは飽き足らず今度はそれなりのイスが欲しくなってきた。
人間の欲深さとは恐ろしいものだ。一度「長時間の作業を継続するためにはそれなりのイスが必要だ」と思い込むと買うまで欲は衰えない。
テレワーク生活では寝ている時間以外のほとんどの時間をデスクに向かって、そして椅子に座って過ごす(はずだ。俺のような真面目な勤め人が勤務中にベッドで横たわっているはずはない)
今まで地獄のような座り心地の折りたたみ椅子で過ごしてきた俺である、多少金をかけてもバチは当たらないだろう(と自分の脳に刷り込ませることから散財は始まる。「1日あたり数十円ですよ?毎日のコーヒーより安いんです」とかいうよくあるセールストークを馬鹿にしていた俺も今回ばかりは馬鹿みたいに日割り計算してしまった。それほどに物欲が高まっていたのである。)
どんなイスを買うのか?
在宅勤務用のイスを購入するしかなくなった俺は、まずネットで調べて把握できる「カタログスペック」だけで譲れないポイントを洗い出してみた。たどり着いたのは下記の4つだ。
- ヘッドレストなし&ミドルバック
- オフィスチェア感が少ない
- 可動肘(高さ調整可能な肘置き)
- 買い替えが発生しにくい価格帯
条件①ヘッドレストがないミドルバックタイプであること
俺は狭小物件に住む転勤族サラリーマンだ。持ち物、特に家具は少ないほうがいい。
そこで俺はテレビ台ではなく昇降デスクに43インチのテレビを載せ、パソコンのモニタとしても使用している。
(というかそももテレビ台とかいうテレビを置くだけしか能が無い家具を所有したくない)
デスクとベッドの配置の問題で背の高いイスを置くとベッドに寝そべったままテレビが見えなくなってしまう。由々しき事態だ。
この年になると毎週末寝転んで微動だにせず延々とテレビを眺めていた父の気持ちが少しだけ分かる。
「映像コンテンツの消化」という父から受け継いだ休日朝のルーティーンを守るため、寝そべっていてもイスの背もたれ越しにテレビが見えるよう背もたれの高いハイバックタイプのイスは避けることにした。
流石に腰辺りまでしか背もたれのないローバックタイプだと長時間の作業に耐えられないので、90センチ未満程度(身長175cm座高高めの俺が座って肩甲骨半ばぐらいまで背もたれがあるぐらい)のミドルバックタイプのイスを探すことにした。
ハイバックを避ける副次的な効果としては「予算を抑えられる」「ただでさえ狭い部屋を窮屈に感じさせない」ということがある。ハイバックのイスは高いし、部屋に置くと圧迫感が出てしまう。
無理だ。
狭小物件に住む転勤族サラリーマンにハイバックのイスを買う理由はなくなった。
条件②オフィスチェア感が少ない
何度も説明しているが俺の家はワンルームだ。作業スペースとリラックスするスペースが分かれていない。
そんな部屋にゴリゴリのオフィスチェアを持ち込むとどうなるか。
常に眼前に「仕事」が主張してくるわけである。
無理だ。
すでに在宅勤務で寝ても覚めても仕事なのにこれ以上自宅に「仕事」要素を持ち込みたくない。
精神衛生上「仕事」を連想させるオフィス感をできるだけ排除することが必要だ。
条件③可動肘(高さ調整可能な肘置き)
オフィスチェアの肘置きとは、机の拡張であるといっても過言ではない。
43インチのテレビをPCモニター代わりにしようしているとどうしても画面からの距離が近くなってしまう。
狭小物件なので奥行きのある机を設置することもできないので、肘を机に置いてキーボードを叩こうとすると至近距離でモニターと向き合うことになる。
無理だ。
文字通り、机側でなく椅子側に肘を置くスペースを確保することでモニターとの距離を確保する必要がある。
このようにガッツリ肘置きを必要とする環境の場合、机の高さに合わせて肘置きの高さを調整できるタイプにしたほうが良い。俺の場合は昇降デスクなので多少机側で高さ調整できるが。
ちなみにこの条件によっていわゆる「社長椅子」タイプの椅子はほぼ候補がなくなる
条件④買い換えが発生しにくい価格帯
イスは捨てるのにもお金と労力がかかる。
品質面としても、所有欲(下手に安物を買うと数年後に絶対買い換えると思ったので)の面としても可能な限り買い換えの発生しない価格帯で選ぶことにした。
「思いきれば捨てて買い換えられる」と思ったギリギリのラインが3万円、言ってしまえば「単なる椅子」に出せるギリギリのラインが10万円だったので3万円から10万円の範囲で選ぶことにした。
HermanMiller「セイルチェア」の購入
以前机を購入したときは現物を見ずに購入したがイス、特に高い金を払うことになるオフィスチェアは絶対に試座したほうが良い。
机はモノを置くだけだが、イスは身体を預けるのである。体格差が千差万別である以上、誰にでも最適なイスなどない。
自分が良い座り心地だと感じたイスが自分に最適なイスだ。
前述の4条件に合致するオフィスチェアをいくつかリサーチした上で、俺は新宿の大塚家具のショールームで試座することにした。
その中で最も座り心地が良かったのが今回購入したHermanMiller社の「Sayl Chair」(セイルチェア)である。
今回は楽天スーパーセールを活用し、実質7万円ほどで購入した。
購入したのは下記のモデル。
座面素材:コスモス
座面・サスペンション・アームカラー:ブラック
肘置き:高さ調整アーム
(+9000円ほどで前後左右にも調整可能なフルアジャスタブルアームにできるが予算不足により断念)
HermanMiller社の廉価モデル
オフィスチェアを購入するにあたってリサーチしていると、各所で鬼ほど推されているのがHermanMiller社の「アーロンチェア」である。
俺も試座してみたがマジで良い。
「身体を預かってくれる椅子」という言葉がしっくりくるような、安定感のある椅子である。
椅子に身体を預けて姿勢の制御を意識せず作業に集中できる、そんなイメージだろうか。
ただ下記のリンクから遷移してもらえば分かるが、お値段が20万円超と鬼ほど高い。
今回購入したセイルチェアは、アーロンチェアを構成するパーツを減らすことで低価格(といっても10万弱するが)を実現しており、HermanMiller社の中では廉価帯に位置する。
座面がメッシュではないものの、アーロンチェアの半額以下の価格でほぼ同等の機能を搭載したコスパに優れたモデルだ。
リクライニング角度(3段階)、座面の高さや前後位置、肘の高さ調整機能や前傾チルト機能まで搭載している。
洗練されたデザイン
セイルチェアの大きな魅力の一つがデザインである。
特徴的なのがメッシュの背もたれである。サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジ(Zoomのバーチャル背景でやたら利用されているアレである)に発想を得てデザインされたようである。
サンフランシスコで最も有名なランドマークである、ゴールデンゲートブリッジを眺めました。べアールは、吊り橋の工学原理をチェアに応用できないだろうか、と考えました。
公式サイト
非常にミニマルな印象で部屋に置いても「THEオフィスチェア」みたいな雰囲気にならない。
前傾チルト機能が快適
実際に1ヶ月ほど使用してみて感じたのが「前傾チルト機能」の有用性である。
集中してキーボードを叩く必要のあるときなど、リクライニングを利用した後傾姿勢ではなく前傾姿勢のほうが適しているシーンが多々ある。
セイルチェアはリクライニング機能だけでなく、この前傾姿勢をサポートしてくれる「前傾チルト機能」を有している。
座面に少し傾斜がつき、背もたれが垂直近くまで前にせり出てくる。
前傾チルト機能を有効にすることでちょうど腰の上、背中の下部あたりをグッと押してくれる形になる。
このおかげで猫背にもならず、楽に前傾姿勢をキープすることができるのだが、これが非常に快適だ。
ワンタッチで前傾チルト機能のON/OFFができるので、後傾姿勢に疲れたら気分転換に前傾姿勢に切り替える…みたいな運用も可能だ。
フローリング用キャスターに換装して使用中
デフォルトで装着されているキャスターはオフィスによくあるカーペット床を想定したものなので、自宅のフローリングで使用すると傷がつく。
チェアマットを使用すると掃除がまた面倒になるし、そもそも椅子を動かせる領域を意識したくない。そこでフローリング用のウレタンキャスターに換装して使用することにした。
ただ純正のキャスターは7000円ぐらいするHermanMiller価格らしいので、他社のキャスターを流用することにした。
互換性がある確証はなかったのだが、共通規格なのだろうかピッタリ換装でき、ガタツキもない。
他のキャスターでも大丈夫かもしれないが、これよりも直径の小さいキャスターだとガスシリンダーと床が干渉してしまいそうなので注意してほしい。
P.S.購入候補だったイス
セイルチェアの他にも実際に座ってみてよかった椅子を書き留めておくので参考にどうぞ。
コクヨ「ing」
まるでバランスボールの上に乗っているかのように座面が水平に動く。何も意識せずに腰掛けても自然と自分の心地よい位置に腰が収まってくれるような座り心地であった。
デメリットとしては高い。10万を超えてくる。貧乏サラリーマンには8万円でも大変な勇気が要るのに更に2万円を足してイスを買う男気はなかった。小せえ男である。
あとはリクライニングがあまりできないのも購入に至らなかった理由の1つである。
俺はやや後傾姿勢でリラックスしたまま作業やゲームがしたいときが結構あるので、リクライニングの自由度が低いのは自宅に置くイスとしてはマイナスポイントだ。
ただ職場に置くイスとしては最高のイスだと思う。俺が社長になったらオフィス全席をingにしてやりたい。
エルゴヒューマン「Ergohuman BASIC」
試座した中で一番腰をサポートしてくれるようなイスだった。エルゴヒューマンというメーカーの一番のウリはこの腰のサポート感らしい。
通常は背もたれと一体化している「ランバーサポート」(腰を後ろから支えてくれる部分)が別パーツになっている。
あと座面がメッシュだ。お尻が蒸れない。腰と太ももの裏に異常なほど汗をかく俺からしたら画期的なソリューションだ。
10万円以下のメッシュ座面を採用している有名メーカーのイスはあまりない。
購入に至らなかった理由としては大きさだ。高さが最小でも96センチとなってしまう。
座面の幅もセイルチェアより15センチから20センチほど大きい。これは狭小ワンルームに住む俺からしたら致命的なデメリットだ。