全国へ飛ぶ転勤族になったので全国転勤の良いところを探してみた

終身雇用制度によって生まれた負の遺産、全国転勤制度について記す。

桃鉄で例えると「人事部によって数年に一度勝手にぶっとびカードを使われる縛りプレイ」それが全国転勤である。

自分は今年から全国転勤の企業勤めを始めた。地方配属になった同期から悲哀に満ちた声も聞こえてくるけど、全国転勤も悪いところばかりじゃないと思うんだ。

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コミコミで考えると転勤はクソだ

転勤族は大変である。

憧れのマイホームを購入したとしても転勤となれば、せっかく買ったマイホームには住めずじまい。

また辞令1つ下りるだけで、家族と引き離されて単身赴任になる。家族全員で転居するという選択肢もあるけど、配偶者の仕事や友人関係にまで迷惑をかけることになるし、更に子供が学生なら転校してもらわないといけない。

家族がいる前提で話を進めていたけど、そもそも住む土地が安定しないので結婚しづらくなったりもする。

家族になろうよ、と気軽に言えない身分にあるのが転勤族なのである。

転勤族本人にも、配偶者にも、子供にもクソな制度。それが全国転勤だ。
おそらく多くの人にとって総合的に見れば転勤はマイナスの制度だと思う。

企業や仕事なんて星の数ほどあるので、単に全国転勤が嫌なら転職したり、自営業・フリーランスになればいいと思うんだけど「全国転勤がある会社だから」を理由に好きな仕事・やりたい仕事を諦めるのはナンセンスな気がしてならない。

そこで全国転勤でもまあ良いかと思えるような要素を探してみた。

全国転勤でも「まあ良いか」と思えるポイント

強制的に環境を変えられる

大前研一というスゴい経営コンサルタントのじいさんがいる。その人が言うには自分を変える方法は3つあるらしい。

自分を変えるにはどうしたらいいか。私が昔から使っている簡単な方法が3つある。
時間配分を変えること。住む場所を変えること。そして付き合う人を変えることである。

天才的なじいさんが言うことなので多分間違いない。

サラリーマン生活はマンネリ化との闘いである。

長期間同じ場所で同じ人たちと仕事をしていると人間誰でも飽きてくる。良くも悪くもルーティンでワンパターンな生活に陥りがちだ。

個人的には飽き性とは言わないまでも「同じような毎日が続けばいい。」みたいな思考には到底なれないタイプなので、日常に変化が欲しくなる。

全国転勤の企業で働くとどうか?

住む場所を変えてくれる

1つ目に企業が「半強制的に自分の住む場所を変えてくれること」がある。

転勤がなければ住めなかったような土地に(自分の意思に関係なく)住むことになる。逆に転勤がない会社なら、転職でもしないと住む場所に飽きても定年まで通勤圏内でしか生活できない。

また大前じいさんの話に戻ると、定年まで40年ぐらいのサラリーマン生活の中で10回程度以上(サラリーマン生活40年÷転勤スパン3〜4年)は大前じいさんのいう「人生の転機」が勝手に作り出されることになる。

なんか人生変えられそうじゃない?

もっとも、この転機を活かすか殺すかは自分次第なのだけれど。

職場の人間を頻繁に入れ替えてくれる

2つ目に企業が「職場の人を頻繁に入れ替えてくれること」が挙げられる。

就活では意外と軽視されがちだけどサラリーマンにとって家族と同じくらい、もしくはそれ以上の長い時間を過ごすのが職場の人間である。全国転勤の企業では、多くの社員が3,4年ぐらいのスパンで全国を転々とするため職場の人がどんどん入れ替わる。自分も異動すれば周りも異動する。大前じいさんの言う「付き合う人」が自然に、どんどん変わっていく。

人生変わりそうじゃん?

マッチングアプリで人と会うために金払う時代に、受け身で何もしなくても付き合う人変わっていくの冷静にすごいよね。大抵異動してくるのは知らないおっさんなんだが。

要するに全国転勤のある企業に入ると自分の意思に関係なく「転勤しなければ住むことがなかった土地で、転勤しなければ出会えなかった人と出会うことができる」のである。

こう捉えるとなんか自分の人生変わりそうな気がしてくる。というかこれぐらい前向きな捉え方しないと転勤族にならないほうが良いと思う。

Tips
全国転勤の企業は各個人が3,4年スパンで転勤していくので人事異動が多い。職場にどうしても反りが合わない人間がいても少しの間我慢すれば良いのである。(逆にめっちゃ気が合う人とも3,4年しか一緒に働けないのだけれど)

住宅にかかる費用を会社が多めに負担してくれる場合が多い

人生云々を語った後に金の話をする。よく手取りの3分の1が適正な家賃なんだよ〜という話があるけど、その正誤は別にして、給与の多くを占めるのが住居にかける費用である。

全国転勤の企業で働くとどうか?

会社からの指示で何度も引っ越しを繰り返す転勤族には数少ないリターンとして(比較的)手厚い住宅補助が存在する。家賃の半分以上を企業側が負担してくれたり、都内でも2~3万円、地方ではそれ以下の価格で社宅に住むことができる企業も多い。

居住地の選択権を企業に売りつけることでその対価として住居に費やすお金を大幅に削ることができるのである。

Tips
営業系の仕事に限れば、基本的には拠点がある場所=営業先がある場所なので良ければ地方都市、悪くとも県庁所在地ぐらいの規模である。生活する分には差し支えない。理系の技術職なんかは知らん。ど田舎の工場に飛ばされるかもしれない、南無。

都市部の給与水準で地方に住める

都市部に居住している社員向けの手当で補正されている企業を除いて、転勤しても給与は変わらない。

それに対して、地方では物価が安いので都市部に比べ生活にかかるコストが大幅に低くなる。特にこれまた家賃は顕著である。都内と同じ家賃を払えば地方ではタワーマンションに住める、なんてことも珍しくない。もちろん窓からは田舎の真っ暗な夜景が広がっているだけなんだけど。

全国転勤の企業で働くとどうか?

コストの低い地方で生活しているにも関わらず、都市部で普通に生活ができるレベルの給与が貰えるのである。

地方にいる間だけではあるが、ブルジョアになることができる。悪くない生活ができる。

適当にググってみたら、都市部と田舎では平均して年間30万ぐらい生活コストが変わってくるという調査もあるらしい。地方に移り住むだけで毎月平均して2.5万円ほど生活コストが減る訳である。

月2.5万円が多いか少ないかは人それぞれだけど、地方に移住するだけで自由に使えるお金が増えるのは間違いない。

物価や家賃だけでなく、地方で育ってきた俺から見ると子育てにかかるコストなども明らかに地方のほうが安い。
転勤族として生きていく上では、転勤のタイミングを上手く活用して人生の各フェーズを進めていくのが大切そうである。

あとがき

まあ色々と書いたけど全国転勤は万人におすすめできる働き方ではない。けれど転勤も悪くない(気がしている)。

全国転勤を理由に自分の好きな仕事・やりたい仕事を諦める人が1人でも少なくなることを願っています。

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