欲との闘いなくして財布を守ることはできない
6月、「学生時代の10倍ぐらい働いているんだ。ちょっと派手にお金使ったって悪くねえだろ。」と思って自由にお金を使ってみた。
今までにない額の赤字を計上した。
理由は明らかで、欲と闘うことをやめたからである。
「あれも欲しい」「これも欲しい」「もっと欲しい」「もっともっと欲しい」そんな欲の赴くままによく食べ、よく眠り、よく遊んだ1ヶ月。
小学生の時分であればこの上なくすくすくと成長するのだろうけど、サラリーマンは寝ても食っても遊んでも、成長するどころかなけなしの給料をすり減らしていくだけである。
世の中は欲を操り、お金に変換しようとする人で溢れている。
ただテレビをぼんやり観ていたり、ふと気になったことをGoogleで検索するだけでも広告がバンバン飛び込んでくる。ディスプレイ上だけの話ではなくてギラギラと主張してくる繁華街のネオンから、さりげなく手渡されるポケットティッシュまで。
全世界から俺の財布は狙われていると言っても過言ではない。
財布の中身を潤す方法は「収入を増やす」or「支出を減らす」の2つしかない、と言われる。
副業を始めたりして「収入を増やす」ことも大切だが、サラリーマンにとって始めやすく、かつ重要なのは「支出を減らす」ことだろう。
サラリーマンの給料とは、自身の労働力を再生産するために必要な経費である。
とすればことは月給を浪費してしまえば、その分の労働力は回復できない。
つまりサラリーマンとは、一銭たりとも給料を無駄に使うことが許されない身分なのである。
そのため、サラリーマンがまともな生活を送るには欲と闘い「支出を減らす」こと、もっと言えば「お金の使いみちを選択し、使うべき所に使う」ことがキモになってくるのである。
「やらない」を習慣にして欲から財布を守り抜く
今回は「支出を減らすこと」、「使いみちを選択し、使うべき所に使う」のうち、前半部分「使いみちを選択する」ための欲との闘い方について記す。
といっても意思の弱い人間なので毎度毎度欲と闘い、支出を減らすことはそう簡単なことではない。何かを新しく始めることより、今やっていることを止めるほうがすぐにできる。そこで少しずつ「やらないこと」を増やしていこうと思う。
欲をコントロールし財布を守るため、ひとまず4つのことを「やらないこと」とした。
①極力コンビニに行かない(生活費全般の節約)
②お菓子・スイーツは食べない(食費の節約)
③1人でいる時はお酒を飲まない(食費・その他諸々の節約)
④ウィンドウショッピングをしない(洋服代の節約)
極力コンビニに行かない(生活費全般の節約)
コンビニが高いのではない。スーパーやドラッグストアが安いのである。
基本的に買い物はスーパーやドラッグストアで済ませ、コンビニでの買い物は避けるようにしている。仕事の合間など、スーパーやドラッグストアで買い物する時間がない時にだけ利用するようにしている。
またATM等を利用するためにコンビニに行くこともよくあるが、「せっかく来たから」というついで買いをしないよう意識している。
お菓子・スイーツは極力食べない(食費の節約)
甘味はコカインよりも強く脳内報酬系を刺激し、快感を得られるらしい。依存性もコカインより高いみたいで、甘いものを日常的に食べているとどんどん摂取量を増やさないと我慢できなくなる。
そう考えるとたかだか1個数百円のお菓子・スイーツといえども甘く見てはいけない。食費が無駄に増えることのないよう、お菓子・スイーツ類は家に置いておかないことにした。
どうしても甘いものが摂りたい時はプロテインを飲むことにしている。
1人でいる時はお酒を飲まない(食費・その他諸々の節約)
お酒は俺にとって大切なコミュニケーションツールの1つだ。
巷では「最近の若者は飲みに来ない」とよく言われているが、俺は飲み会への参加を減らそうとは全く思わない。
お酒を飲むと楽しくなれるし、ストレス解消にもなる。スーパーで半額になったお惣菜をつまみに発泡酒を流し込むなんて最高のストレス解消法である。
しかし、お酒の作用は良い面だけではない。ストレスが解消の対価として食欲やら物欲やらのストッパーが効かなくなるのである。
酔っていない時には到底できない行動力を発揮して家から徒歩で30分のラーメン屋に赴いたり、酔っていない時には想像もつかない決断力を発揮してAmazonで無駄な買い物をしてしまう。
そこで「お酒代を惜しむ」ことよりは「食欲・物欲のストッパーを機能させる」ことを目的に、1人でいる時だけお酒を断つことにしている
自宅の冷蔵庫にウイスキーや芋焼酎を詰め込んでいた時代もあったぐらいにはお酒が好きなので、正直これを定着させるのが一番キツかった。
ウィンドウショッピングをしない(洋服代の節約)
大学時代の俺は暇があれば近所のショッピングセンターをふらついていた。
ショッピングセンターや百貨店は禁欲生活を送る者にとっては魔窟も同然である。
今まで特に欲しくなかったモノも、オシャレに吊るされていたり、キレイにガラスケースの中に陳列されていると途端に欲しいモノに様変わりしてしまう。
支出を減らす、という観点から見ればウィンドウショッピングは自分から欲を湧かせる自滅行為のようなものなのである。
ちなみにインターネットはもちろん、家から一歩外に出ると外は広告にまみれた世界なので、一番の節約方法は家に引きこもってネットを絶ち、本でも読んでいることだと思う。俺には無理だ。
欲のコントロールと取捨選択のススメ
最大級の赤字を計上した6月が終わり、7月になった。上記4つの「やらないこと」に加え、財布の紐を引き締めることを意識し1ヶ月生活してみた結果、なんと支出が10万円減った。
欲に溺れた1ヶ月と欲を制した1ヶ月で、支出に新卒社会人の月給のだいたい半分ぐらいの差が生まれた。
冒頭に記したように、サラリーマンの給料とは自身の労働力を再生産するための経費である。
一銭たりとも無駄にお金を使わないために、より多くのお金を「自分がお金を使いたいこと」に投下するために、「やらないこと」を決めて生活してみてはどうだろうか。