「『緊急事態宣言』出します宣言」と越後長岡の風俗禁止令

こんばんは、源(@kinogen0018)です。

巷は今、緊急事態宣言が出るか、出ないかで騒がしい。

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「『緊急事態宣言』出します宣言」に至るまで

この記事を執筆している当時、ニュースは新型コロナウイルス一色だ。安倍首相や小池都知事のコメントが絶え間なく流れている。

「武漢で疫病が発生した」と報じられた1月頃の俺に今の状況は予想さえできなかっただろう。

1月末には文字通り対岸の火事だったCOVID-19は、2ヶ月が経過した今我々の生活を脅かしており、まさに非常事態・緊急事態といったところだろうか。

そしてこの記事を書いているのは2020年4月7日。今日の夜、安倍首相からついに「緊急事態宣言」が出されることになるだろう。

「緊急事態宣言」前フリが多すぎる問題

緊急事態宣言の準備入り表明見通しとは?

しかし、この記事を書く2日前の4月5日には緊急事態宣言に関して既にこのようなニュースが報じられている。

「「「緊急事態宣言」の準備」入り表明」見通し」

キミは本当にヤバい時、

「ヤバいって叫ぶ心構えをこれから整えますって言うと思われます」
「ヤバいって叫ぶ心構えをこれから整えます」
「ヤバいって叫ぶ心構え整えてます」
「ヤバい」

と段階を踏んで「ヤバい」と叫ぶだろうか。

ラスサビの最後のワンフレーズまであるあるを言わないレイザーラモンRGでも本当にヤバい時はAメロを待たずイントロでヤバいと叫ぶはずだ。

「ヤバいって言う心構えこれから整えます」

そして「ヤバいって言う心構えこれから整えます」って言われたのが執筆日の前日、4月6日。

布マスクしてる安倍ちゃんはなんだか可愛いが、問題はそこではない。

「『緊急事態宣言』を出す準備してます宣言」なんてしてる時点でもう緊急事態じゃねえか!

そう思っているキミ、言いたいことはよくわかる。

長岡藩奉行・河井継之助の風俗禁止令に学ぶ

河井継之助の改革に学べ

ここで時代を令和から江戸に遡ってみよう。

時は幕末、長岡藩奉行・河井継之助は藩の財政改革のために今でいう法人税に目をつけた。領内の富商・豪農は色々な言い訳をつけて法人税を納めない一方、その金で妾(妻以外の第二の女)を囲ったり風俗に通い、豪遊していた。

そこで河井継之助は妾や風俗の禁止を思い立つ。

風俗はともかく、妾などは社会と密接に関わっていた日本古来の風習だ。それを禁じるなど、今よりも血筋や子孫といった要素が重要だった時代だけに到底不可能に思われでた。

前代未聞の禁令を徹底するには「『〇〇宣言』出します宣言」が重要?

前代未聞の指令を徹底するにはどうすればよいか?

止めろ、といってすぐに人々が止めるなら苦労はない。

そこで河井継之助がまず行ったのは、妾や風俗を禁止するその前に「『禁止する』見通し」という噂を流すことであった。

そしてすぐには禁令を出さず、「『禁止する』見通し」が広く知れ渡った上で時をおいてからやっと禁令を出す。

特に風俗の禁令の時は違う商売をするためのお金を風俗店へ貸したり、住み込みで働く風俗嬢に対しては実家に帰るお金を給付するような行政措置まで整えた。

継之助のやり方であった。ある禁止令を出すとき、まずうわさを流してしまう。そのうわさだけでひとびとは心の準備が出来、該当者も法令の出る前に身辺をきれいにしておくことができる。

司馬遼太郎「峠」https://a.co/dqaa1Cu

噂を流すことで実際に制限を課すまでに時間をつくる。その時間で制限する者は救済策を整え、制限される者は覚悟と次のアクションに移る時間を与える。

このようにして河井継之助は前代未聞の禁令を領内に徹底させることに成功したのである。

個人的に「『緊急事態宣言』出します宣言」は悪くないと思う

時を令和に戻そう。

俺は政治に詳しくないが、日本は他国のように「外出たら死刑な☆」みたいな強制力を以って緊急事態を収束させることは出来ず、あくまでも自粛要請という形を取るしかなさそうだ。

ここで自分の職場を思い浮かべて欲しい。

社長に「自粛しないといけないから、うちもテレワークしよう」と言われて即日全社テレワークに移行できる企業など日本にウン百万ある企業のうち、ほんの一握りだろう。

そうなると自粛(制限)を求められる者や企業は、ちゃんと自粛する・自粛を徹底するために準備する時間が必要だ。

その点を考えると今回の緊急事態宣言について(まだ結果的に良かったかどうかはわからないが)越後長岡の風俗禁止令のように「十分すぎるほどの前フリ」を行ったことは間違いではなかったと個人的には思う。

また「国が緊急事態宣言出した場合における都の対応」をまとめて小池都知事が会見できたのも、壮大な前フリによって時間が確保できたことも少しは関係ありそうだ。

(もちろん都庁の皆様の頑張りが大きいと思いうが)

制限される者への救済策については事業者向けの融資などすでに結構手厚いように思える。執筆時点ではまだなんとも言えないが、事業者でない一回のサラリーマンである俺にもマスク2枚だけということはないだろう(と信じている)

親愛なる晋三へ

お肉券でもお魚券でも貰えるだけで俺は嬉しいよ。
ワクワクしながらおうちで待ってます。

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